あったかヒーターたち

寒い冬を凌ぐ為には、大方の日本の国土ではヒーター(通称ストーブ)は必需である。最近は石油ファンヒータも多用されていて便利だが、私の身の回りではコレは禁じたいくらい不粋である。大きすぎて収納に困るばかりかちょっと電気が取れない所で暖を取りたい時に滅茶苦茶に不便であるし、やっぱり見た目がエキゾチックではないのである。単にヒーターと言えども、それは燃料効率を如何に生かすかの知恵の発展型であって、各々に考案者の思い入れと心意気が露になっていて芸術的である。そういうのを感じ乍ら暖をとるのが好きである。

コールマンのヒーター二種。左が後期型513K80年2月、右が原型513 70年1月。共にガソリンを使う。点火には一寸慣れが要って、一旦ひっくり返して網の中の触媒に一寸だけガスを湿して一度バンバン焚き上げ予熱する。建物の中等でやると類焼を招く。専ら野外用手火鉢である。両方とも3000-5000BTUのアジャスタブルで、利便性は高いが燃費はというと、3リッタ入るタンクが5時間と持たない。実に燃費は悪い。入手先は岡山県在住のYSさんである。御協力に感謝である。


屋内用ヒーター

見た事がある人が少ない、アラジン社のGreenHouseという、有名なブルーフレームの変形小型版である。当然灯油が燃料だ。構造は弊社取り扱いのアラジンランプと全く同じであるが、内径が倍の芯を使って、煙突の中で効率良く温度を生かし頂部の箱の両脇から熱気を吹き出す。小型の割には火力が無駄無く広がるので暖かい。アラジン社は今なおチムニー型のブルーフレームは製造しており、高級ヒーターの部類であり静かな良いヒーターを好む人に強く支持されている。
Alladinは英国の世界的ブランドである。

オーストラリアで入手、70年代初頭のもので、結構な値段だ。芯の入手は内地外地をとわず殆ど不可能に近く、余程の凝った燃焼器具店にしか無いが現行で製造されている。ルートさえあれば、維持に支障は無い。つってもそのルートちゅうのが大変である。

知人宅の前の河原で拾った、知る人ぞ知る懐かしのアメリカはPerfection社の灯油ヒーターである。アラジンのブルーフレーム方式とは対照に、レッドフレーム燃焼を使用。黒っぽく見えるガラス部分から赤々と炎の様子が見え、視覚的にも暖を与えるだけで無く結構な火力である。似たようなヒーターは日本でも製造するところはあり所有品の中にもあるが、効率は圧倒的にこちらが優勢。猛烈な対流を発生して家中が直ぐにカッカと暖まる。タンクはチムニー下部に内蔵され、全体が一つの煙突となって機能する。これが特有の風洞効果となって持ち前の強力な性能となる。昔の人は良く考えたものである。タンク容量は2Litre程度だが、芯はバーナートップの隙間から顔を覗かせるだけで実に燃費も良い。全体が琺瑯引きで非常に清潔感がある。姿もたおやかでよろしい。寛ぎを大切にするアメリカ人ならでは。元々は日本にも代理店はあったと思われ後付けの耐震自動消火装置が付いていたが面倒なので外してしまった。それにしても捨てちゃうなんてヒドイ。