3/14/99 T.Nakamura Wrote:
民主主義が駄作を生むんだ
人の心を捉えるものとは何だろうか。
最近とみに目に付くのは、誰かが何かをやろうとしていることに対して迎合したがらない風潮である。彼等は、「みんなで」決めてものごとを進めたいそうであるが、みんなはそれ程魅力的で煌めく頭脳の持ち主なのだろうか。大方が馬鹿だといっている訳では無いが、皆が一つの事に対して同じだけのエネルギーをつぎ込めるだろうかということである。ものごとを生み出して来た偉人の大勢が大抵は老いさらばえ、人々の憧れを浴びた開発者の多くは失われた。憧れは名前だけが凡そ残り、出涸らしを煎じ続けるケースも多々見られる。新たに何かを生み出さねばならない時、曾て煌めきに惹かれた者達は、皆で新たなる煌めきを生み出そうとでも思っているのだろうか。皆はそれ程の能力を平均して持っているのだろうか。
端的に言って、誰かの提示する何かに活性しない群衆を烏合の衆と言う。幾ら数を増しても応力にならないからである。だれきった過去の者が、煌めいた人が去った後に台頭している残り物の時代である現代、何も能を為さねどもその過去の者に位置を守られている立場の者が多い。それらは将来永劫に台頭出来ぬ迄も、今を失う訳にいかないから、だれきった抜け殻をも持ち上げる。さぞ軽くて仕事は楽であろう。しかし、経済迄も抜け殻にしたのは、こうした「楽な仕事」に傾倒している者供なのであることを忘れてはならない。
上に立つ者を持たない、誰が生んだか判らないものごとは全て、駄作である。政にせよ商品にせよ、作品にせよ。もし民主主義を尊ぶなら、加来なる物事に金銭並びに一切の意志を投じてはならない。我々末端の生活者は、相当のチャンスが無ければ何かで人を動かす事は出来ないが、誰かが生んだものごとを讃えそれを用い生きる事は出来る。皆の意見で発生したものとは、所詮一時的に不足を埋め合わせるに過ぎない。「誰か」が要求して発生した、或いは造り出したものこそ、後々迄その者の名と共に受け継がれて行く事間違い無い。それは必ず迷わぬコンセプトと、何より大切な人の温もりが籠っている。
みんなはそんなに偉くない。偉くないものが偉いものを選び讃えないで、何が民主だ?。
つまり、皆が一時的に要求した道具のような存在のものは、直ぐに古びる。古びればどうせごみにしかならないということだ。
そういうものに捉えられてしまった心が可哀相だと思って生きよう。