中国の製品

ぴよよ楽器は中国製の楽器が好きです。マイッチャッテいるのではないかと思われる程好きですが、これは何も安いからだけではありません。

勿論安ければそれだけ良いものを大勢の人に沢山紹介出来ますからいいことはいいのです。しかし何より、今、着るものにしても食べるものにしても、また、今向かっているPCにしても、中国抜きに物事を考えることが出来ない実際があります。

中国は、あっちこっちの「共産主義」が吹っ飛んで消えてもまだそのままいられる珍しいところです。楽器作りだけ、特にバイオリンに注目してみても、マイスタークラスのメーカーは数百人いると云われている位ですが、彼らも元々は国営の楽器メーカーの職人さんだった人で、選び抜かれて国費留学でドイツやイタリアで勉強し、帰国後さらに腕を磨いた人たちです。例えば日本の名門バイオリン製造学校は、今や製作者養成というよりカルチャースクールとしての機能の方が重要になっていますが、彼の地では、技術を着けられる人がいるならとことん教育して、以後「ただめし」を喰わせてでも徹底的に養成してその産業の発端にしようと云うバイタリティがあります。

中国製の楽器というと、80年代には「えらいもん」でした。見よう見まねも甚だしかったものですが、90年代になりますと、作っていないものはない程になり、バイオリン等手工業中心のものに関しては大変な完成度を表わし、今や音楽大国と云われる国では知らない人は居なくなりました。悪いと知られているのではなく良いと知られるようになり、バイオリンの老舗イタリア等では事程左様に一層の励みを必要とされています。商法の違いから、ヨーロッパのメーカーの中には、中国のマイスターのものを買い付けて自社銘ラベルを貼り販売しているような顛末で愈々怪しくなって来て、中途半端な欧州製よりは中国製、況してマイスター直々のもの等は信用する以外に方法がない程です。

材料は広大な国土を探せば大抵あるもので、アイデアも世界中にばらまかれている留学生からそれこそ幾らでも回収可能です。吟味するブレインは何万人といるし、金はというと全世界の投機市場からガンガンほっておいても集まって来ます。そのうえ感心なのは、国内の市場を国際的に低価格に安定させ、商品相場が上がらないようにする調整が常になされていることです。何かしらの製品なりの相場が暴騰すると、国際競争力が下がる為、先進国の十分の一の所得で充分暮らしていけるように仕向けられているのです。やっていることは下手な先進国では及ばないのに、国力の見かけを「発展途上国」にしているのです。これは資本主義国家には出来かねます。日本でやれば、政治的なほころびがあっちこっちに出てしまって崩壊してしまうでしょうが、中国はそれを平気でやってのけられるのです。

たまに欲のある人が「出稼ぎ」に出て外国の労働市場を荒らしますが、それはそこ、人口の多さからしたら極々僅かな人数です。あちらにとっては「とるに足りないこと」でしょう。

その中国から、意外な値段で入手出来る意外なもの、ぴよよにとってはそれがバイオリンだったのです。

今後は、グランドハープ等、日本で全然普及しないようなものにもチャレンジしようかと画策する昨今ですが、兎に角、今、中国のマイスターのつくるバイオリンは凄いです。既に名人として名を馳せるマイスターを数多く輩出している事実にも目を向けない訳にいきません。毎年新しいマイスターが売り出して来ています。全てを試す訳にいきませんが、今気に入っているマイスターの作品を紹介し、量産の普及品もよりよいものに育って欲しい。それがぴよよの願いですし、お客さまがたにも見知って頂きたい、素晴らしさがきらきらしているのです。

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