シューティングスポーツクラブ(SSC)狩猟家連絡部会

昨今、銃を使うスポーツをやる人が急速に減少し、使用するモノが手に入り難くなる問題が起きております。銃砲店によっては、手続が面倒で扱いたくない、とはっきりと仰ることもあります。が、これは大変親切なお店であるが故でしょう。数百円のもの一つを外国から取り寄せるのに、面倒な書類を作り、お金を掛けてお役所とやりとりをしなければならない訳ですから、こりゃ出来ないヨお客さん、と言ってくれる方が、探してみます〜といってナシの礫にするよりずっとお客さん想いなんです。
そこで、もうシカタナイ手立てとして個人輸入があります。これには幾つか条件が、必然的に発生します。

以上が整っていれば、余り問題はありません。

先ず、発注先が「日本への輸出に対応しているか」調べます。日本での輸入規制は許可銃砲に関わるものでは本体とそれらに「くっつけて機能するもの」を対象としていますが、出荷国側が全てを規制していることもありますし、日本のように銃にくっつくか、入るかして機能するものに限って輸出の資格を与えていることもあります。外国のカタログやウェブサイトの商品説明頁にRestrictionリストリクションという表記があればそれを読んでみて、Internationalとなっていれば外国へ出荷しないことを指しますが、中にはExcept to Japan日本を除くとあることがありますので、それについては発注しても問題なく現地を離れることが出来ます。

ちなみに、アメリカ合衆国から銃器及びそれら部品部材を出荷出来る販売店が、無許可で日本に送ることを認められているものは次の通りです。
照準眼鏡とその台座金具、レイル装備品、猟銃用照準器、銃床とその付属品、負皮、空気銃弾(フエルト弾含む)、ライフル用弾丸、ライフル用薬莢、散弾装弾用中蓋、散弾、散弾装弾用薬莢、弾丸鋳造工具

発送する国や地域によっては、より強められている場合がありますので一概に総べてで同じではありません。
案外少ないですが、これで大体、日本での無理がカバーされるでしょう。銃器の本体や替え銃身、装薬や雷管などは予め日本で許可を受け、未確認のその許可証を元に輸入の申告をし、承認を得た書類を元に発送国で輸出の許可を取りますので、一層手順が複雑になります。

また、裏技になりますが、この申告を不要とし、輸入者が輸入品を用いる銃器の所持許可証の提示のみで上記承認対象品を受取ることができる例外として、数量(商品としての風袋の個数)が『3個』迄の便というのがありますから、装弾部材のように数多く一度に使うものでないなら、その数に納まる範囲で一回の発注とするほうが、不便はありませんが送料はその分余計に掛かります。大抵のものは送料の方が品代より高く付くので、面倒でも纏めて発注して承認を受ける方が金銭的な負担は減ります。

自分の求める品が規制から除外されているなら、発注してみましょう。無事に全ての出荷が認められれば、輸入港の荷受け代理店(運送会社)に出荷通知が為され、自分に入荷予定をFAXで通知されます。そのとき、大抵Commertial Invoice取引通知書を添付されていますので、それを元に経済産業省に輸入承認を申請します。機械類並びに武器及び銃砲弾並びにこれらの部分品及び付属品の輸入承認申請輸入承認の明細申告各々の説明PDFと、輸入承認申請書輸入承認申請明細前補足明細書原本誓約書各々をWord形式ファイルで用意しています。ファイル保存して使って下さい。


これがコマーシャルインボイスの品名欄です。この販売店は日本の関税率表を正確にコンバートしていて、例えば最上段のレミントンの16番のワッズについては、9306.30という関税率番号を既に与えています。二番目のスナップキャップと、三番目の皮製スリングに関しては9305.29を与えています。ここは非常にド深く日本の銃器関係の物流規制を熟知していて半端ではありませんが、これは申告を行う購買側としてはとても有り難い。他の店の多くは大体これはダイジョブジャナイカと普通の送り状だけで流して来ますので、時として出国で引っ掛かり、なおかつ入国でまた引っ掛かりと無闇に時間と手間が掛かります。出国で引っ掛かった場合は対象品だけ放棄指示をすれば積み出されますので、残りは入国の税関に承認を示す為に経済産業省に申請します。
アメリカで資格を持ち販売する店が無許可で出荷出来る銃器関係の商品は、関税率表の93.05・93.06と一部の93.07に相当するものです。企業努力でよく調べないと、面倒臭いので皆出荷制限付きにしてしまってこちらは選びようが無くなるというもの。93系の.03、.04各々は予め所持許可を受けている個体しか輸入の申告は出来ませんし、こちらが先に承認を受けていないとアメリカから出られないものでもあります。
細かくはリンク先のPDFを読んで頂くとして、上記を手許に受取る為の申請の方法です。

輸入承認申請書をワードで開きますと、このような書式が現われます。これには裏面があり、必ず裏表で印刷したものとせねばならず、同じものを2部要求されます。此の他に、輸入承認申請明細・銃砲所持許可証の写し(とびらと購買品を適用させる銃器の頁)・当該品のカタログが、各々2部づつ必要になります。

明細書には、表側に名前など、最終需要者は輸入者個人とします。
関税率番号欄には各々の番号と原産国。これは大抵出荷国で通ります。船積地域はインボイスに記載されている輸出者の在地です。貨物名と説明は、極力詳細に。何に使うのか、大抵銃装備品のことは役所に専門の人が居て分かるようになっているようですが、これは「税関の人も見ることになるもの」になる可能性がありますので、誰にでも分かるように書くのです。

その裏面には先ず使い道を記します。当該銃器に使用して云々、よりむしろ、輸入者個人のスポーツ用として当該銃器に使用する、とした方が分かりやすいです。輸出業者は結果的に送り状に大きく名前がある商店名としないと税関で分からなくなってしまう恐れがあります。製造業者はカタログ通販では分かりませんから、カタログ上のブランド名を列記することになるでしょう。また、もしバックオーダーになってしまったものが混じっている場合、承認期間を一回の通関に限らず後へ延ばしてもらえるようにここで頼みます。三ヶ月くらい掛かるとお店に言われたら、六ヶ月くらいを申請します。理由は生産待ちの為としておくと、通関書類は未通関分を示して戻されるようになり、後で追っ付け到着したら再び承認書として有効になるのです。

それらを、返信用に自分の宛先を予め入れた返信用封筒と共に、経済産業省へ送りますと、ほぼ即日で受理・発行し承認書を返送してくれますから、それを受取った後受け入れ代理店に転送し、税関に提示してもらうのです。

提出先は、1008901 千代田区霞ヶ関1-3-1 経済産業省貿易経済協力局貿易管理部貿易審査課 機械類等輸入審査班です。連絡先は03-3501-1659ですが、余り幼稚な質問で仕事の邪魔をしないように。ここに書いたこと程度は理解した上で、その先のことを質問するように。昔に比べたらお役所は大分親切になりましたが、担当する人数は逆に減ってしまっているので、忙しいんですから。

なお、これを編纂した時期は現在2016年とは違い、まだ合衆国の輸出規制が緩かった時期です。現在は遙かにタイトになっており、この時期に輸出に応じていた販売店の多くはその取扱を止める(免許の期限切れに伴い)など致しておりますので、様子はかなり異なります。

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