ふるいもの!

220E(Canada)'52y

現在の大型フレームの姿と何ら変わらないが、ベースプレートから立ち上がったサイドフレームからハンドルが生えていて堅牢な作りだった。無論現役である。グローブの下に出ている針金みたいなハンドルは、ノズルの掃除をする針を上げ下げするものである。火力調整は余り自由に出来ないが、この針のハンドルとバルブで微妙乍ら調整出来る。ロゴはふち付のシール(右上)で、今の樣にプリントでは無いプレスのアルミカラー(右下)には、品番と部品番号が打込まれている。見えないがノズルは鋳鉄である。こういう所にも、手間暇を厭わず金も掛けられた時代が彷佛とする。ここ数年前にひょんな出会いで入手。グローブは当時の侭のものであり、ナミナミの上にお天道様が半身乗り出してる商標が書かれている。


249(Left:47yEngland /Right:51yCanada)

これらはケロシン仕様スタンダードフレームである。バーナーが鋳鉄で、それにベイルを差込むので正直いって壊れる所がない。ゼネレータは近年専門店の人にデッドストックを一年かけて手に入れてもらって交換したが特に改善はない。要は充分に余熱してバルブを開くのがコツである。余熱皿はゼネレータにトラマエ憑いているのが見えるが、これにナミナミとメタを仕込んでタップリ燃やしてやって徐々に、バルブを開けたり閉めたりして落ち着く迄繰返すのであるが非常に明るく持ち時間も長いので重宝している。左のミリタリーもそうだが、これらは虫がファネルから飛び込んでマントルを割る虞れがないので安心して目を離せる。こういうのは野外、特に緊迫した状況では重要な事で、ここ一番という時にパカッとマントルを落とされて真っ暗になったのではパニックが起きる様な行動を、これの明かりの下で行わねばならない人は現行モデルを購入する前に実に高価だがアンチークを扱う店に顔を出して貰いたいと思う。当たり前だが現役である。二つはペアでいつも天幕の下で右大臣と左大臣をやっている。


Model 6 '35y Canada

我が野外お料理のフラグシップである。常に点検整備を怠らないお陰で猛烈に調子が良く、遂に新型2口が全てうちから姿を消してしまった。これの良い所、何と言っても小型である事、鋳鉄製のバーナーは丈夫で腐れ知らずだということ、燃料を大雑把に入れても、給油口の周囲の凹みに溜まってこぼさずに回収出来るとかまあいろいろあるのである。目方も仕舞寸法も現行のコンパクトモデルより小さく、足があるから地面でもテントの中でもテーブルの上でも本体の熱から遮断して使えるので、一つ二つ荷物を減らせるから山行にも持っていけるちゅう強みがあるし手放せない。60年以上経ってなお現役である。さすがこ〜らいまんである。ただしそろそろ錆を始め塗装全般にナーバスにならないとならん時期が来ているから、そろそろ腹を決めて耐熱塗料で塗ろうかと考えている。大切にして来た正面のロゴをどうするか、それでもう一年悩んでいる。ポンプは銅色のタンクの右側に、フィラーキャップは左側に在る。

あかちょうちん200A '66y

最後の方のあかちょうちんだ。99/8/19到着。な〜んとびっくり一度くらい使いました状態である。もっと使っても良かったんだけどなあと。箱も取説もついているのである。私は箱と云うのは非常に大切なアイテムだと思っている。どーしてガキの頃から中身しか利用しなかったのか悔やまれてならない。箱はその時代を明るく物語る。印刷の技術、センス、広告力とかいろいろを知ることができる。この箱には、特徴と意匠の他に宛先欄が有る。通信販売が有力な納品手段であった時代を物語る。箱はケースになるというアイデアも刷り込まれている。「ニスを二回塗る」「逆さにして握った紙を下に敷いていれるとマントルが振動に強くなる」。なーるほどグッドアイデアだ。
 ちなみに本体は、底にサンシャインマークをもつ白縁デカール。カラーには型番とマークが入る。ベンチレータは背が低く、人気の?ちびちょうちんの仲間だ。余りに綺麗なんで驚いたが、また我が手元を照らして頂きましょう。

これら旧こ〜らいまんの特徴として、フィラーキャップが挙げられる。この時代のパッキンのゴムの性能の問題で、高熱の下で柔軟性を失うので、フィラーキャップを開け閉めする事で大きく摩滅するのを少しでも軽減する為、キャップは二重構造になっており、インナーキャップはアウターにビス止めされているのである。これにより、パッキンを滑らせることなく開閉でき、大幅にパッキンの寿命を伸ばす事が出来たのだ。小さな事だが製品を成功させるには重大な要素になる。なおここの純正のパッキンはもう入手する事自体馬鹿げているので耐油のOリングをサイズを選んで購入して使うとよい。二重構造の蓋のお陰で、それでも十二分に機密するし、むしろ角断面のパッキンより締めを緩くしても漏れる事は無い。

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